おもちゃ37
〜JUWEL34〜
「JUWEL34」
宝石という可愛らしく美しい名前を持つこのバーナーは、
実は名前のイメージと裏腹に、おもに戦地で大活躍しました。
実はこれは旧東ドイツ国家人民軍のガソリンストーブで、
各分隊ごとに支給され、隊員の食料の用意や暖房のために使用されました
そして、そのルーツはナチスドイツ時代のJUWEL33というモデルですが、
実はほとんど何も変わらずに東西ドイツ統一頃まで製造使用されていたようです。
ま、ある意味シーラカンス的な感じ?
そういうこともあってか、このバーナーは実に質実剛健。
ふたを開け中身を取り出して眺めてみると…
左下より、下ぶた兼燃焼台、じょうご、工具兼調整ハンドル、本体、
上ぶた、工具入れとスペアパーツ、風防兼ゴトク
これだけのものがきれいにパッキングされております。
(以前のGIストーブと同じく、スペアパーツがしっかり用意されているあたり、さすが軍用だなという気がします。)
使用するときはこのように、下ぶたに乗せ、そこに風防をかぶせハンドルをセットします。
この状態だと、超有名なストーブ「スベア123」そっくりに見えますね。
さては物まねしたな?
でも、やはり本家のスベアの方が上蓋がコッヘル(お鍋)になるので便利ですね。
どうせならそこまで真似ればいいのに、と思ったのですが、
考えればそれぞれの目的が、スベアは個人、こちらは分隊、
だからハナから個人用の小さいコッヘルなど眼中にはなく、
それよりはむしろ中身を保持する意味で頑丈な上蓋を採用したのかもしれないな。
(ちなみに、燃料タンクも鉄製ですが、これは頑丈さというよりはコストの問題かな?)
五徳はこのような感じで、
小さいお鍋の時は内向きで、
大きなお鍋の時は外向きと、回転させることができます。
さて、では実際に燃やしてみよう〜♪
「シュボボボボボボ〜!」
30秒ほどのプレヒートでも確実に着火し、
後は結構賑やかな燃焼音で頼もしく燃えてくれます。
最近は燃焼音の静かなサイレントタイプが人気のようですが、
私はやはり、ある程度賑やかな音を出し燃えてくれる方が好き!
そしてその音の質にもいろいろあって、これの音はすごくいい!
中音域で歯切れよくリズムを刻むこの感じ、
昔からの愛機「オプティマス8R」にどこか似ている!
気に入った!
この音一点だけでもう、ものすごく気に入った!
実は今回、とあるオークションでこいつを見つけ、
「ん?数千円?どうせまた吊り上がるだろうな〜。」
とそう思いながらも、ポチリ♪
ですがその後だれも入札に入らず結局競り落とした感じで手に入れたので、
手に入れてどうこうは全く考えていなかったのです。
まあ、火がつかなきゃばらして遊ぼうか程度に思っていたんですよね。
でも、これはいい!
いいぞ〜♪
そういうわけで、こいつは今後バイクのお供のひとつに採用!
(軍用だけに頑丈なのも嬉しいしね♪)
きっと戦地でこれを使用した人たちも、
この頼もしい音を耳にした人時は、
「ああ、ごはんだ…」
と心からほっとできただろうし、
その時目にした真っ赤に焼けるバーナーヘッドは、
きっと名前の通り宝石のようにきれいに輝いて見えたことでしょう。
そう思うと、
こうしてたたんだすがたも…
うん、名前通り可愛くてきれいだ♪
そうそう、先ほどの試験運転時もったいないからラーメンつくって店でお昼ごはんに食べてました。
(=^^=)ゞ
【その後】
大変楽しくお気に入りなのですが、一つだけ難点が…
それは、「使用時火力調整レバーが熱くなるので素手で調整できない。」ということ。
ま、これはこの手のバーナー共通の弱点なので、
私を含め多くの方々がいろいろな工夫をしてやり過ごしております。
一般的には、レバーの持ち手に断熱材を貼る。(コルクや皮など)
または、調整時以外はレバーを抜いておく。(私はもっぱらこれ)
(というか、素直に手袋はめればいいわけなのですがね。)
でもJUWELの場合は、風防兼ゴトクをセットしてからだと、レバーの抜き差しがかなりしにくいので、
最初からレバー刺しっぱなしにしないといけないのです。
でも、レバーの持ち手が燃料キャップのレンチになっているので、できればカバーはかぶせたくない。
そこでちょっと考えた。
「新たにレバーを一本作る?」
というわけで、材料は…
お!いいのがあった!
取り外しておいてあった小鍋のフタ!
これは熱に強く断熱性のある樹脂でできているので最適!
これにアルミのパイプをつなげ、先端を差し込み口に合うように加工すれば…
ほら!あっという間に調整ノブの完成だ!
これをこうしてセットして…
後は点火して様子を見るだけ。
接着にエポキシを使ったけど、あの耐熱温度が微妙なんでそこが心配。
ではいざ、点火!
ボボボボボボ…
で、結果はどうかと言いますと…
大成功!ヽ(^∀^)ノ
お湯が沸いた後も10分ほど連続燃焼させてみましたが、
ノブの部分は熱くならず、接着部分もしっかりしたままでした。
よし、これはいけるぞ!
というわけで、世間がGWで楽しそうにお出かけしているのをよそ眼に見ながら、
こうして一人楽しく遊んでいたのでありました。
(=^^=)ゞ
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