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〜タイムマシン〜


私は寝るのが非常にはやい。

はやいとは言っても、寝る時間が早かったり、

また、寝付くまでの時間が早いわけではなく、

寝ている間の時間の経ち方がすごくはやいのだ。

つまり、分かりやすくいうと、

私がちょっと眠っただけ、そう、ほんの数分の感じでも、

目を覚ますと予想外に時間が経っているということがしばしば!

そういう事を人に話すと、

「それは眠りが深いからそう感じるんだよ。」

と言われますが、いやいや、

眠りが浅く、寝た気がしない時でも同様なのだ。



で、今朝も激しい雨音と雷で起こされて、
いつもより早く起きてしまったものだから、
出掛けるまでにちょっと時間があったので二度寝をしたつもりが、
気がつくともう夜!
しまった!今日は大切な約束があったのに!
あわてて先方にわびの電話を入れた後、
仕方がないから、テレビでも見ていようかとスイッチを入れると…

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…、で、現在開発が進められているタイムマシンは、

実はその仕組み自体は簡単で、いわゆるウラシマ効果を応用したもの。

ややこしく言えばややこしいのですが、手短に言えば

ある物体を加速させ、光速並みの超高速で移動させてやれば、

その物体は時間を越えて未来へ移動してしまうというもの。

正しく言うなら、時間を越えるわけではなく、

そのものの内部における時間と、外部の時間との経過速度の差によって、

通常より古くならない状態で、将来のある地点に到達すると言うことです。

つまり、タイムマシンとはいっても、

今の理論ではこのタイムマシンは未来へは行けても、

過去にはいけない一方通行のタイムマシンなわけですね。

ま、仮に過去にいけたとしても、

未来を変えられちゃあ困るから、

きっとタイムパトロール隊がやってきて即逮捕されちゃうでしょうがね!

あははは!

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なんと!

まさに、私の体験そのものではないか!


そういえば確かに、私は実際の年齢よりも若く見られることが多い。

これってつまり、寝ている間の私と世間との時間の差によって、

先ほどの「ウラシマ効果」が起っているじゃないだろうか!

ということは、私の布団は言わばタイムマシン?!

ならば、今日の失敗をなかったことに出来るじゃないか!


あれ?

待てよ…

でもそうなると、私の布団がタイムマシンだとしても、

先ほどで言っていたように、過去へはいけない未来への一方通行?

でもそれじゃ役に立たないか!

過去へ戻れてこそ、意味があるんだから。

じゃ、布団は意味ないな〜。


ん?

まてよ…


そこで私はあることを思いつき、

その夜いつもどおり布団を敷いた後、

頭と足を逆さまにして眠りについて眠りにつきました。



ま、だめでもともと♪

翌朝目を覚ますと、すごい雨と雷!

そこであわてて携帯を手にし日時を確認すると…

(・∀・)「やった!今朝に戻ってる!」

これで大切な約束をすっぽかさなくてすむぞ!

さあ、今度は二度寝するものか!


と、そう思っていると…

「トントントン!」

いきなりドアを叩く音が!

そこでドアを開けて…

「どちらさんですか?」

「ああ、タイムパトロールのものです!」

「えっ!?(まさか実在したなんて!?)」

「心当たりおありでしょ?」

「はい…。でも私はまだ何もしてませんよ!」

「いえいえ。」

「じゃ、やっぱ逮捕されるんですか。」

「いえ今回は逮捕ではなく…」

「ん?」

「一方通行逆行で、はい青切符。」



そういうわけで、私は言われるまま指にインクをつけペタンとした後、

青い紙切れにサインしたのでした。


(=^^=)ゞ


〜おしまい〜


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