38

毒蟲



 「…、でなこれがそれや!」

「うひっ!」

「なっ?きれいやろ?」

あいつは、そう言って目のまえに赤と黒と黄色のしましまの虫を差し出した。

「おまえ…、ほんまにこういうの好きやなぁ…。」

「まあな♪」

「それ、やっぱあれ?」

「ん?」

「それやっぱ、毒もってるん?」

「あたりまえや!結構きついで〜♪」

「…、ほんまお前嬉しそうやな。」

「♪」

「刺されたりせえへんの?」

「いや、たまに刺されるで。」

「あちゃ〜!もうやめとけよ。」

「あほっ!それがええんやないかい!」

「そういうもんか?」

「そういうもんや。」

「ふ〜ん、ところでな…。」

「なんやぁ?」
 
「おまえすごいDVD持ってるらしいやん。」
 

「ああ、あれ?」

「そうそう、あれ、貸してくれへんかな〜?」

「ええ〜。」
 
そう、これこそが今日こいつのとこへ来た本当の目的♪

噂によると、とんでもない裏DVDを持っているとのこと!

最近は巷でも裏DVDが出回っているようだが、

こいつの持っているものはそれらとは段違いにすごいらしいのだ!
 
「あれはアカンわ〜。」

「え〜!なんで〜?!」

「あれはな〜、」

「ケチらんでもええやん!な?な?」

「う〜ん…、・・・・・・・・・、やっぱアカン!」

「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

「まあ、あきらめて。よいしょ、ちょっと俺便所行ってくるわ。」

「ああ・・」
 
おかしい!

あいつはいつもはあんなにケチらへんはずや。

きっと、ほんまにものすごいんや!

世間で出回ってるほかの裏DVD,そんなものは目じゃないほどすごいんや!

くそ〜!見たいな〜!

ん?

待てよ?

そんなに大事なものやったらば、絶対いつも身近に置いてるはずや。

どこや?
 

・・・・・・・・!

お!あのへん怪しい!
 

何でこんなとこに読みそうもない本があるのかな〜♪っと!

うほほ!

「発見〜〜!」ヽ(・∀・)ノ

どれどれ、ディスクの題名は…

あれれ?何も書いてない?!

やはり人目に触れられたくないんやな!

ということは、ロリ?いや、もしかしてスナッフビデオ!?

なんにせよちょっと拝借〜♪

よいしょっと…

おっ!水を流す音や、もう戻ってくるぞ…
 
「よお!」

「おお!」

「ほかにも虫おるねんけど見る?」

「いや、もうええわ、俺ちょっと今から用事あるし。」

「そう?じゃあまた今度な。」

「おお、ほなまた電話するわ!」
 
そういってわたしは急いで家に向かった。

理由はいうまでもない。

「早く見たいのだ〜!」ヽ(・∀・)ノ
 
 
家についた私は、急いで部屋に駆け込み、

いそいそとパソコンのスイッチを入れる。

起動するのももどかしく、ドライブの取り出しスイッチに指を添える。

よしっ!たちあがったぞ!

あわててドライブにDVDを放り込む!

あとは自動再生で…

おっとその前にヘッドフォン、ヘッドフォン♪

音声が漏れてはまずいものね〜♪

そうこうしていると携帯が鳴った。

見れば…、あちゃ〜!あいつや〜!

しまった、もうばれたんか〜!
 
「え〜っと、もしもし…」

「もしもしやあるかい!おまえアレもって帰ったやろ!」

「いや、まあ、へへへ…」

「もって帰ったもんはしゃあない、でも絶対再生するなよ!」

「けちけちすんなや、ええやんけ。」

「あほ〜!ええことあるかい、あれはな…」

「へっへ〜♪もう遅いわい、ほらもうすでにこうやって…、って、って、…、あれれ?」
 
画面を見る私には最初何が起こっているのか理解できなかった。

私のパソコンのなかの、すべてのファイルが開かれて…

そしてどこかに転送されて…

そして削除されていっている???

をををををををををぉぉぉぉぉぉぉ〜!

なんじゃあこりゃ〜!

携帯の向こうであいつの声が、

「あちゃ〜!遅かったか〜。」

「おま、あれ、それ、これ、何???」

「だから言うたんや、やめとけって。」

「でも、おまえこれって???」

「お前も知ってるやろ、俺が大好きなもの。」
 
壊れ行く私の大事なパソコン。

それを眺めながら私は思い出した。

そうや…

あいつは毒の虫を集めるのが大好きやった。

それも毒性が強ければ強いほど…

きっとこれもその一つ、

猛毒も猛毒。

とっても強力なウイルスの詰め合わせDVDやったんや…
 
 
 
(完)
 
 

でもほんまに、こうやってういするを集めている人って結構いるようですよ。

「うへへへ〜♪」ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)


次へ



とっぷへ