2 乗物大好き!
科学が進み色々な技術が作り出された遠い未来、
これはそんな時代のお話です。
昨今、有機体融合式ビーグルが男の子達の間で流行っている。
これは、有機生命体の遺伝子を機械(ナノマシン)に組み込ませて作った簡易移動装置であり、
その特性は、各有機体固有の特色を生かした性能(速さ、移動方法)であった。
つまり各々が固有の特性を持つため、
その性能や能力の違いが男の子達にはたまらなく魅力的であるのだ。
また、燃料等も石油系の燃料に頼ることなく、
各々の有機体の生命力によるところも人気の一つであった。
男の子達はその乗り物を過去の乗り物にたとえてこう呼んだ、「バイク」と。
そしてここにも、バイクにとりつかれた独り(身)の男の子が…
アベノシティに住む昌ちゃんは悩んでいた、
彼はアルバイトをしてやっと「タマゴ」を手に入れたところであった。
(「タマゴ」とはバイクの基礎となる機械部品の総称であり、
これに様々な遺伝子を組み込んでバイクを造るのだ。)
「さてどうしたらええかな〜。」?(・∀・)?
彼の悩みとは、遺伝子の選択であった。
タマゴと違い遺伝子は、価格もその人気、希少度により様々である。
当然みんなに人気のかっこよくて、速いものは効果であり入手は難しい。
ちなみに彼の友達はと言うと…
英君とこはお金持ちだから、
隼とゴリラ、果てはアウストラロピテクス(類人猿)。
すべて高価で珍しいものばかりだ。
こーちゃんは、猿と人間(忍び?)。変な趣味だ。
変と言えば…
ぷち君は、お相撲さん(重くて、熱くて、無駄にでかくて、止まらない)!
なぜか「川崎」と名前まで付けて可愛がっている。
しのやんのは、唐辛子!まっ赤々で刺激的なのが良いらしい。
ただし、きつくて長距離ツーリングにはとても使えない!
(ピリピリして乗っていられないそうだ。)
ましてや、雨でも降ったらしみる!しみる!
実は、遺伝子は買わなくとも手に入る。
ひす君は、拾ったお猿のを利用してカッコいいのを造った。
「そうや!僕は虫が好きやから虫にしよ!」
そう決めた彼は昆虫採集に出かけ、遺伝子を手に入れた。
後は、バイクが育つまで大事に育ててやればよい。
彼は嬉しくなって友達とツーリングの約束をした。
しかし、昌ちゃんのバイクはなかなか出来上がらない!
ショックアブゾーバーが治れば、制動装置、
次は、発火装置そして呼吸機関と次々にトラブルが発生!
<(T∇T)>
とても皆とツーリングにいけるような状態ではなかった。
しかしそれでも、
液漏れを起こしつつも速く走り、
大きな音を出すバイクに昌ちゃんは夢中になった。
やっとのことで出来上がったのは、タマゴを手に入れてから3年後のことであった。
それでも嬉しくなった昌ちゃんは、皆に連絡をしツーリングの約束をした。
「じゃあ来週の火曜日な!」
当日は天気もよく最高のツーリング日より!
皆の前に颯爽と現れた昌ちゃん!
皆口々に褒め称える。
ヾ(≧∇≦)ノ彡☆「かっこいい!」
!(・∀・)「速そう〜」
( ̄ー ̄)「結構無骨で漢らしい!」
W(☆O◎)W「声(音)が大きくてスゴイ!」
で、みんながたずねた。
?(・∀・)?「これって何の遺伝子を使ったの?」
昌ちゃんはこう答えた。
「ふふふ…乗ってからのお楽しみ♪」
さあ!出発だ!
・・・・・ん?
昌ちゃんのが動かない!
機能停止!<(T∇T)>
皆が覗き込む、で一人が叫んだ。
「あっ!これ生命エナジー空やん!」
そう、実は…
昌ちゃんが選んだのはセミの遺伝子…
ずっしりと重量感があり、
素早く飛び回り、
大きな声で鳴く、
そして…
幼虫時代は土の中で何年も過ごし、
成虫になってはあっけなく死んでしまう
セミの遺伝子であった。
(*-人-*)「さだめじゃ!」
解説 実在する人物しょっちーさんは、 念願のMVアグスタなるバイクを買ったものの、 レストアに気の遠くなる月日を費やし、 やっとの事でみんなとツーリングに行けましたが、 その後再びバイクが動かなくなり、 頭をかかえることとなったわけですが… 本文とは一切関係ございません! ね!(゜▽゜)b |