食べ物♪132
醍醐か蘇を作ろう!
〜飛鳥時代のチーズ?〜
「物事の、ほんとうの面白さ。深い味わい。神髄。」
これを称して醍醐味といいますが。
この醍醐味にはあと二つの意味があります。
一つは、「最高の味わい。」
そしてもう一つは、そのものズバリ…
「醍醐の味」!(゜▽゜)b
そこで気になる、
醍醐ってどんな味?
時は飛鳥のはるか昔、貴族たちの間で「妙薬」として珍重された食品がある。
一口食べれば寿命が延び、病魔は一気に退散したという。
その名が、「醍醐」(だいご)と「蘇(酥)」(そ)。
どちらも乳を加熱して作る乳製品ではあるが、どのようなものであるかとか、製法などは諸説ありいまだ一致していない。
ですので、一般には口にできるはずもない。
(あの時代は牛馬も普通に食していたそうです。)
実は以前、百貨店で「蘇」を見つけ食べてみたことがあります。
なんというか、牛乳のホエイエキスの固まったもののようで、チーズ、バターというよりは、
生姜糖のようなサクッとした歯ざわりで、あっさりしたミルククッキーに似た印象を持ちました。
ほんのり甘く、美味しいのですがこれがそうなのか?
正直そういう印象でした。
さて、実は最近古い本を読み返していると、このような記述を見つけました。
「蘇は牛乳を加熱し、湯葉を作るようにして作った。」
ん?
以前口にした「蘇」とはずいぶん違うようだぞ?
製法はなんだか簡単そう…
「よし、作るか〜!」ヽ(・∀・)ノ
用意したのは、幅の広いお鍋と牛乳!!
ただしこの時注意するのは、
必ず低音殺菌牛乳(60度 30分とか)を使用すること!
高温殺菌(120〜130度 2秒とか)ではすでに加熱されているので上手くできません。
中火で加熱し続けると、やがて泡立ってきますので、
その泡はすべて丁寧に取り除きます。
すると表面に薄く膜を張ってきますので、それを箸などですくい上げざるにあげて行きます。
この作業を根気強く続けると、このような感じで塊になってゆきます。
これを別の器にとって、冷ませば出来上がり!
(今回は1リットルの牛乳で、大体100CC程度のものができました!)
「こ一時間かかったぞ〜!」ヽ(・∀・)ノ
どれ、お味は?
ん!♪
歯ごたえは、モッツァレラチーズに良く似てる。
でも、あれほどモチモチしていなくて…
それとは違い上品な甘味を感じます。
う〜ん、冷たくない、甘すぎないアイスクリーム?
そして、以前食べた「蘇」のようなミルクの深いコクを感じます。
でも乳臭さは意外にも感じません。
これが、「醍醐」?それとも「蘇」?
なんにしてもけっこう美味しいです♪
ケーキのようにパクパクと食べるのではなく、小さなさじでチビチビと食べたい、
そのようなお味です。
なお、お鍋に残った煮詰められた牛乳はドロッとした感じで淡くキャラメル色に変色しています。
試しに舐めてみると…
「甘い!」!(・∀・)
何と予想以上に甘く、濃い!
この味は紛れもなく、以前食べた「蘇」の味だ!
お鍋のふちで固まっているものなんかはまさにあれだ!
以下は私の推測ですが…
もしかしたらば、醍醐も蘇も表裏一体のもので、
どちらかを作った時の副産物が、もう片方なのかもしれません。
当時ではおそらく貴重であった牛乳を使い、それをじっくりと煮詰めて、少量だけ取れるこの食品。
まさに栄養満点の妙薬ではあったでしょうが、
やはり、普通には高嶺の花であったのですよね〜♪
だから、皆が憧れ味を想像し、「醍醐味」なる言葉が生まれたのでしょうね〜♪
【おまけ】
以前私が食べた「蘇」は下記のお店で購入できます。
BEERSきとら
〒630-8032 奈良県奈良市五条町3-30
TEL:0742-33-2557 FAX:0742-35-3377
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