犬12♪
やきもち
じっとこっちを見ている犬がいる。
だけど呼んでもこちらへ来ない…
ある日のお風呂上り、バスタオルを手に出てくると、
ななが尻尾をゆっくりとふりながら近付いてきた。
遠慮がちにやってくるその姿がいじらしくて、
「おいでおいで、なな、おいでおいで♪」
そばにいた奥さんがそう声を掛けた。
ななはゆっくり近付き、目を細めながら猫のように擦り寄ってくる。
頭をゆっくりとなでてやると、とても気持ち良さそうにしている。
「!」
何か視線を感じたぞ!
よく見渡すと、離れたところにある椅子の下からこちらをじっと見つめている視線が!
「あっ!ぷー!?」
そう、ぷーがじっと見つめていました。
(さっきまでいなかったのに!?)
私たちは気付いていませんでしたが、
ななが来て、可愛がってもらっている様子を一部始終、じっと見ていたのです。
やっと気付いた我々が声を掛けます。
「ぷーもおいで!」
するとぷーは、ちらっと見て、軽くため息をつき、(そう見えます。)
くるっときびすを返し、こちらに背を向けてスタスタと立ち去りました。
私と奥さんは顔を会わせこう言いました。
「すっげえ、やきもち妬き!こっわ〜!」
じっとこっちを見ている犬がいる。
だけど呼んでもこちらへやって来ない…
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