犬118♪

一時預かりという保護活動
〜りりぃとジャックの話 前編〜


 2006年のある夏の夜、ある保護団体から一本の電話がかかってきました。

内容はというと、「処分間際の犬を一匹、しばらくの間でいいから預かって欲しい。」という内容でした。

聞けば、とある場所(私の家の近く)で、数年間閉じ込められたまま飼育されていた犬たちが、

飼い主の高齢化に伴い世話しきれなくなったので、処分されることになったとのこと。

その犬たちは合計7匹、何とか6匹は一時的にも引き取り先が見つかりましたが、

最後の一匹は性格上の問題から、引き取り手が見つからなければ2日後に処分されてしまうとのこと。

そこで、一時預かりということでうちで預かって欲しいとの依頼だったのです。

まあ、ずっと飼う訳でもないので、とりあえずなら…

そういうことでうちで預かることになりました。


下の画像は、保護される前の状態。

この檻の中で、何年間も暮らしていたようです。


     

さて、そういうわけでうちに来た子は、左の画像の左側の女の子。

名前はりりぃちゃん。

ところで気になったのは、その性格。

噛み癖があり、人になつかないと聞いておりました。

実は来た当初私も手を噛まれましたが、それは通過する自動車に驚いてパニックになったところに私が手を出したから。

ですので、噛み癖というよりも、極度の臆病。

だって、生まれてこの方自動車どころか、表の世界も知らなかったから無理ありませんよね。

でも多くのわんこと同居だったせいか、ほかの犬に対しては非常にフレンドリーです。

▼^ェ^▼


そうこう世話をしていると、私の義父が遊びに来て、一目でこの子を気に入ってしまいました。

で、結局このりりぃは義父の家で飼われることとなり、一時預かりではなくなりました。


さて、義父の家は犬には甘い!

毎日のたくさんの散歩と、ご飯。

怖がりは相変わらずですが、徐々に慣れてきてくれたのか、

頭や体を触っても我慢できるし、商店街の人ごみの中も散歩できるようになりました。




大好きなバームクーヘンをねだっております。



こういう甘えたしぐさもしてくれるようになりました。



そういうわけで、ずいぶん慣れてきてくれたある日、

義父がいつものように散歩に出かけた時、とある道路で…

すぽっ!

りりぃの首輪が抜けてしまいました。

あわてて呼ぶものの、つかず離れずの距離を保ってなかなか捕まりません。

それでもいったんは家の前まで誘導できたのですが、その後逃走!


そして…








家族総出で探し回りましたが、いまだに行方不明です。(2006,12,27 現在)

あちこちにこのチラシを貼らせていただいたおかげで、数件の目撃例がありました。

それらはいずれも明け方近くの早朝です。

元来が臆病なので、人目を避け隠れ続けているのでしょう。

それに、見つけてもすぐに逃げ、捕まえるのが大変です。

間の悪いことに、行方不明になってから雨が続き冷え込んできました。

家族は落ち込み、打つ手もなくなったような気がしてきました。




そんなとき、いつも奥さんがよく見ているブログを見ていると…


「ここの方も個人で保護活動してはって、今現在6匹抱え込んでしまっているみたい。」

「へ〜、そらまた大変やな。」

「しかも、体を壊してはる上に先日も大型犬をひきうけてしまいはってんて。」

「あらま!」

「そこでな、その子らのうちの一匹だけでも、うちで一時預かりしてあげられへんかなって…」

「そうやな…、おじいちゃん(義父)も落ち込んでるし、そういうのもありかな。」

「で、預かるのならこの子がええと思うねん。」



「ああ、りりぃの元家族のわんこのジャックやね。」(上の画像の右の左端)


そいうわけで、今度はこの子を一時預かりすることとなりました。

りりぃに雰囲気も近いし、何より数年間りりぃと同居していた子ですから、

人は怖がるりりぃもこの子を見たらば帰ってくるかも?!

そういう淡い期待を抱いております。



【続く】


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