食べ物♪50

たい焼き(前編)


ほれどうだぅ〜!?
キリッとしたお顔立ち!ピンッと立ったうろこ!
今回は
「たい焼き」です。

誰ですか?たい焼きなんてどこで食べても一緒だなんて思っている人は〜?
でもそのような人が多いのも事実!
だってそれには理由があります。

思い出してみてください、今どこでたい焼きを売っています?
夜店、コンビニ、スーパーのフードコーナー・・
そんなとこでしょ?
でも昔は違ってた、たい焼きを看板に掲げるお店が頑張っていました。

皮はあくまで香ばしく、
生地はもっちり、固めの団子の様、
餡はほどほどで、
周辺部は餡子と生地が一体化しカリカリの煎餅状になっている!
無論、冷えても美味い!


だから、たい焼きは「美味しいおやつ」としての地位を保っておりました。
しかし、悲劇は起こりました。

みんなの知っている
「およげタイヤキ君」という曲のヒット!
これにより、雨後のたけのこどころか、梅雨時のカビのように「にわかたい焼き屋」が発生し…
当然にわか職人の作る鯛焼きは、

量産を第一に考えるため、生地が緩く、弾力に乏しい、
そして、その生地の不出来を卵でごまかすので、ふっくらだが、べっちゃり
あげくにホットケーキのような生地を使い出し、まるで原宿ドック!
そして、チョコやカスタードなどの変り種で勝負を仕掛ける…

冷えたものはとても食えやしない!

こうして鯛焼きの質は地に落ちました。

そして、不幸なことに、「美味しいたい焼き」を知らない世代が多くを占め始め…
いつの間にか、たい焼きはおやつの定番から外されることとなりました。

しかし、美味しいたい焼きが脳裏にこびりついている私は、
どうしても我慢できず、その後もあちこちで買い食いしておりました。

し・か・し・・・・

あの頃のたい焼きはどこにも残っていませんでした。

そしていつしか諦めてしまい、こう思うにいたりました。

死ぬまでに一度でいい、「おやつセンター」で食べたあの鯛焼きをもう一度・・・

しかし、思いは通じるもの。
天は私を見捨てはしませんでした。
再び、出会いのチャンスが訪れました。
それも、意外な場所。
意外なことの成り行きで・・・

今思うと、これはたい焼きの神様の啓示だったのだと思います。
神さまはこうおっしゃられました。

「再び食うが良い。そして、広めよ。世にたい焼きの灯をともし続けるのじゃ!」




続く


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