食べ物♪151
アジアコーヒ
〜コーヒとネーポン〜
え〜、コーヒーではありません、コーヒです。
大阪では、うちのおばあちゃん世代(明治〜大正)は、コーヒーと伸ばさないで、コーヒと発音しておりました。
ですので、私が子供のころつまり昭和の40年代ごろまでは、あちこちで「コーヒ」という言葉を耳にしました。
今ではもう聞きませんよね。
だって、コーヒーどころかカフェだもんね〜♪
(そういや、アイスコーヒーもレイコーではなく、レイコ(ォ)でした)
時代はどんどん変ってゆくね〜。
昭和って遠くなったのかな〜?
かって近くにあったお気に入りの喫茶店も今はもうないし…
だけども、実はまだまだ昭和はしぶとく生き残っておるのですよ!
ヽ(^∀^)ノ
場所は大阪市は北部の都島。
知る人ぞ知る、その名も「アジアコーヒ」です!
まずは店内をご覧あれ〜!
どうです?
私は思わず「懐かしい!」と口に出してしまいました。
模様入りのおきなガラス、いかにもなテーブルと椅子、ガラスのショーケース、タイプライター式のレジ…
まるで子供の頃に連れて行ってもらった喫茶店そのものじゃないですか!
♪(((*^ω^*)))♪
角地に立つお店の表に面した壁は大きなガラスで囲まれていて、とても明るく柔らかな優しい光に包まれております。
「窓辺の鉢植えの緑が、すごく良い雰囲気ですね。」
そう、おばちゃんに声をかけると、
「ガラスで囲まれているから、夏場が暑苦しいから。」
とのこと。
いや、本当に良い雰囲気!
お邪魔したのは弊店間際の午後2時半。
お店は空いていましたが、私たちが選んだ席は…
なんというのでしょう?
まるで電車のシートのような長椅子です。
そこに小さなテーブルがちょこん♪
実はこの場所が、一等場所!
なぜなら、先ほどのような店内の景色が一望できるから♪
さて、どっこいしょ♪
「おばちゃん、コーヒーとネーポンちょうだ〜い!」
手前が一時大人気であった、謎のドリンク「ネーポン」です。
ここで、アジアコーヒとネーポンについて少しだけ…
アジアコーヒとは、今はもうなくなったコーヒーの豆問屋兼喫茶店のチェーン店。
90年代頃に、ネーポンと、インディアンカレーがマスコミに取り上げられ一時大人気となりました。
本店は東野田の交差点にありましたが今はもうありません。
現在は当時のフランチャイズ店が、屋号として名乗り経営を続けております。
私の知る限りでは、ここのほか、玉造、天王寺、今里辺りにありましたが今はもうありません。
「アジアコーヒ」「ネーポン」で検索すればとてもたくさんの情報が得られると思いますよ。
さて、実は先日新聞でこのネーポンを作っておられる神戸のメーカーさん、というかおばちゃんが、
「もうしんどいさかいに、ネーポン作るのんやめます。」
と言っていたのを見つけて、それならばなくなる前にもう一度…
そう思い今回訪れたのでした。
(2006年9月をもってネーポンの製造は終了、後は在庫の販売のみとなります。)
件のネーポンは上の写真のオレンジジュースのようなものです。
変わった名前は、オレンジではなく、日本人の舌に合う味をと、「ネーブル」と「ポンカン」をまぜて作ったところから来ているそうです。
味は、苦くないプラッシー、いや、お子様向けのバヤリースオレンジ?
さらっとし、果汁よりも砂糖の甘味が目立ちます。
銭湯でよく飲んだ「ミカン水」にやや似ていますかな?
この手の味は、子供の頃を思い出します。
パレード、ロイヤルハニー、なんやらメロン…
ネーミングは色々ですが、それ以上にどぎつい色が素敵でした♪
味は大体、まあこんなもんか…
でも湯上りに冷えたのを飲むと美味かったな〜♪
さてもう一方は、アジアコーヒではないが、アジアコーヒのコーヒです。
値段も何も抜きにしての素直な感想
「おいしいやん!」!(・∀・)
香りよく、程よい酸味に、苦味、そしてほのかに甘い香り!
ちゃんと入れてくれているから、これだけ美味い!
悪いが、ド○ールも、スター○ックスもここにかなわないよ!
本物の喫茶店の味だよ!
おいおいおいおいおい!
これが150円!?ヽ(・∀・)ノ
店の表には自販機がありますが、これじゃあ誰も120円で缶コーヒを買わんでしょ?
幸せに浸りながらすすっていると、
店内の雰囲気で、思わず時間もゆっくり流れます。
飲み物をいただきながらしばしおばちゃんとお話しました。
「ところでおばちゃん、ネーポンってもうすぐなくなるねんなあ?」
「ああ、私もこの間聞いたとこやわ。」
「ずいぶん問い合わせがあったんと違いますの?」
「さんまちゃんとたけしさんがテレビでやってたときはすごかったよ。青森や九州からケースで買いに来はった。」
「へぇ〜〜!」
「そんなに美味しいもんちゃうから、交通費がもったいないでて言うたら、このために大阪に来たんですって。」
「あははははは!」
「やくざみたいな人から電話もあって、あるだけ買うたるから売れ!って。」
「なんとまあ…」
「みんなビンを欲しがるけど、ビン代も150円かかってるねん。」
「中身と一緒やん!」
(実はこのネーポン、以前の大ブームの時には一本数千円で取引されていたのです。)
話はネーポンから次第にお店の話に…
「アジアコーヒのお店もどんどんなくなっていったね。」
「アジアコーヒさんがなくなったとき、屋号を変えようとしたけど、お客さんがこのまんまでええやん言うてね。」
「うんうんそのまんまでええですやん。確か他のお店は看板に地球の絵がありましたよね?」
「そうやねん、だから看板とのれんを新調した時も地球を入れようと思ったけど…」
「けど?」
「めんどくさいから、アジアだけでええやん、っていうことになってん。」
「あはははは!それでええですやん!シンプルでよう目立つし♪」
「でも安っいですね〜!いつから値上げしてませんの?」
(コーヒ他が150円均一!例外で一番高い「ミキサジュース」が200円ってどうよ!)
「ずっとしてへん、20年ほど前に値上げしようとしたらお客さんに怒られた。」
「へ?なんで?」
「店を改装もせんと値上げすなっ!ってな。」
「あははははは!でもこのまんまの雰囲気がとてもいいですよ!」
「そうかな〜?」
「うんうん、ガラスもとても気持ちのよい雰囲気です。」
「でも夏場は暑いから植木を置いてるねん。」
「それがまたすごくよいです!でもこんなにガラスに囲まれてたら台風のとき怖いでしょ?」
「そうやね、でもあの大震災でも平気やったんよ。」
「え〜〜!あの揺れでも〜!?」
「お客さんたちが心配して来てくれたけど、ほら、ガラスのとこに木が走ってるし、上には大きな梁があるんよ。」
「へ〜!と言うことはこのガラスケースもこけへんかったん?!」
「そうやで〜。」
「へ〜〜〜〜〜〜〜!」
「それにな、この場所は毎日毎晩が地震みたいなもんや。」
「なるほど、前の通りは交通が激しいですもんね。」
「慣れんと全然寝られへんで〜!」
「あははは!」
「あははは!」
「そらそうと、ここは何時から何時までしてはるのん?」
「朝の6時からお昼の3時までやってます。」
「早っ!」!(・∀・)
「店開ける用意をしてたら、お客さんが勝手に入ってくるんでだんだんと早くなってしもうたんよ。」
「へ〜!そらしんどいですね。」
「で、夜遅くまですると、お酒を飲んだお客さんが来てなかなか帰ってくれへんでしょ。」
「そらそうだ。」
「だから早く閉めるんよ。」
「なるほど…、何事もお客さんの声を優先してはるんやね〜。」
とかお話をしている間に三時前になってきました。
そういうわけでわれわれもお店を出ることに…
久々に美味しいコーヒと楽しい時間をいただきました。
「おばちゃんまた来るわ〜!」ヽ(・∀・)ノ
今度ここで朝ミしよか?♪(((*^ω^*)))♪
アジアコーヒー
06-6922-3673
大阪府大阪市都島区都島本通2丁目16-14
営業時間 午前6時〜午後3時
日祝土は午前中のみ営業
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