私が小学生の頃(昭和40年代当時)
あべのばしには、「学生アルバイトの店」という看板のイカ焼き屋さんがありました。
中を覗くと、確かに看板の通り学生らしき人たちが働いておりました。
3人ほどで、イカ焼きを、にゅ〜〜〜〜い〜〜〜んと焼いておりました。
さて、この「にゅ〜〜〜〜〜い〜〜〜〜ん」とは何ぞや?
実は、ここのイカ焼きの生地は、想像を絶するほど粘っこかったのです。
表から焼く様子を見ていても、
店の人が生地を分け取る時に、顔をゆがめながらかなりの力で引きちぎっている様子が伺えました。
その生地は引っ張っても、引っ張ってもなかなかちょん切れなくて、
にゅ〜〜〜〜〜い〜〜〜〜んと伸びるのでした。
そして、やっとの思いで引きちぎられた生地は、大きなプレスのような焼く機械で挟み込まれて焼かれます。
おまけに、その生地の色はなんともいえない不気味な緑色をしていましたので、
その様子は、調理というよりは何かの実験のように見えてすごく面白かったのをよく覚えております。
しばらく待って、手元に焼きたてが届くと、色はほのかな緑色に変わっていて、
なんとも香ばしい香りが鼻を刺激します♪
まあるい生地の焼けた香りと、角のあるとんがったソースの香りです。
生地と同じような緑色した紙に包んでもらったそれにかぶりつくと、
先ほど見たほどではないにしろ、誰もが最初はけっこうな弾力に驚かされます!
「これが癖になるんだよね〜♪」♪(((*^ω^*)))♪
(冷めるともっとすごく、本当にゴム板を噛んでいるかのようでした。)
御存知ない方には想像されにくいかも分かりませんが、
今あちこちで食べられているイカ焼きと、もんだいのソレとは
そう、例えるならば、ラーメンの麺と、韓国冷麺の麺の弾力の差ほどとでも言えば少しは伝わるでしょうか?
確か、卵無しで35円、卵入りで50円くらいでしたか…
まあ、どちらにしても、イカの姿はほとんどといっていいほど見なかったですね。
「イカ焼きなのに?」
子供心ですらそう思いました。
でも、あの弾力と香りが好きで、あべのばしに行くたびに買っていました。
でも、もうずいぶん前に百貨店が改装された際に立ち退きになって、それ以来どこにあるのか分かりません。
(多分なくなったんでしょうね。)
さて!
時代は移って、ついこの間のこと。
小さな心遣いで有名な稲妻君が遊びに来てくれた際、手土産にこのようなものを持ってきてくれました。
「確かな材料と抜群の技術」で焼かれたイカ焼きです。
どれどれ…
個別包装されたビニールをはがすと懐かしいソースの香り♪
そして、かぶりつくと気持ちのよい弾力♪
♪(((*^ω^*)))♪
嗚呼!あの時ほどではないにしろ、昨今味わっていなかった弾力だ♪
(イカもきっちり入っているし♪)
え〜っと…
桃谷ぃ?
そういや、イカ焼きとソフトクリームで有名な場所だな…
今度ぶらりといって、買い食いしてみようか。
「いなちゃん、サンキュな!」ヽ(・∀・)ノ