夏みかんといえば、
大きくて、皮が分厚くて、香りが鮮烈で、ほろっと苦くて、
そして酸っぱい!
以前、家の近くに大きな夏みかんの木がありました。
面白いことに、夏みかんといいながら、
冬頃から実を付け始め春先に黄色い綺麗な大きな実をつける。
でも、とても酸っぱいので誰も取らない。
小鳥には大きすぎて手が出ない。
だから、毎年夏前には地面にころころ転がっていました。
私はいつもそれがもったいなくて、
拾っては家にもって帰っていました。
すると、祖母はそれを見て
私が夏みかんを大好きなんだと勘違い!
そういうわけで、しばしばおやつに夏みかんが出てきました。
だけども、子供にとってあの酸味は強烈で、
顔をしわしわにしながら食べていました。
そんな時、祖母は砂糖をスプーンですくって、
夏みかんの剥き身にかけてくれました。
すると、不思議なことに酸味が和らぎすごく甘くなるのです!
(もしかすると、今思うと砂糖ではなく重曹だったのかも?)
さて、前置きが長くなりましたが、
今回土佐土産ということでブロスさんから頂いたこのみかん。
その名もかわいい土佐小夏♪
夏みかんの仲間とはいえ、掌にすっぽり納まるそのかわいいサイズですので、
皮をむくのも指で十分!
ぐっと、指を食い込ませると、
あたり一面に鮮烈な芳香が広がります。
べりりっと皮をはぐと、恥ずかしそうに中身が顔を出しました。
中袋も小ぶりのため剥いてしまうほどのことはなく、
そのままポイっと食べれそうです。
香りの強烈さから、酸っぱさを覚悟して口に放り込んでみると…
おや?
「意外にも酸っぱくない!」?(・∀・)
というか、むしろ甘い!
ちょうど前述した砂糖がけの夏みかんのようです。
だから、私にとってはとても懐かしい味。
太陽の光と、大地の養分を思いっきり吸い込んだかのようなその味に、
思わずがっついてしまった私は、種をいくつか飲み込んでしまいました。
(=^^=)ゞ
ブロスさんのおはなしによると、
この土佐小夏は夏みかんの親戚で、
4月中旬から5月中旬くらいしか出回らないそうです。
そして、私が頂いたのが5月の末ごろ。
ですので、時期的に多分アレが最後です。
ブロスさん流に言うならば。
「土佐の晩春の味覚ですわ。」
なるほどどうりで…
鮮烈な新鮮な初夏の香りを放ちながらも、どこか優しい甘味に満ちていたはず。