食べ物♪137


土佐小夏「日向夏」
 
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夏みかんといえば、

大きくて、皮が分厚くて、香りが鮮烈で、ほろっと苦くて、

そして酸っぱい!


以前、家の近くに大きな夏みかんの木がありました。

面白いことに、夏みかんといいながら、

冬頃から実を付け始め春先に黄色い綺麗な大きな実をつける。

でも、とても酸っぱいので誰も取らない。

小鳥には大きすぎて手が出ない。

だから、毎年夏前には地面にころころ転がっていました。


私はいつもそれがもったいなくて、

拾っては家にもって帰っていました。

すると、祖母はそれを見て

私が夏みかんを大好きなんだと勘違い!

そういうわけで、しばしばおやつに夏みかんが出てきました。

だけども、子供にとってあの酸味は強烈で、

顔をしわしわにしながら食べていました。

そんな時、祖母は砂糖をスプーンですくって、

夏みかんの剥き身にかけてくれました。

すると、不思議なことに酸味が和らぎすごく甘くなるのです!

(もしかすると、今思うと砂糖ではなく重曹だったのかも?)

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、

今回土佐土産ということでブロスさんから頂いたこのみかん。

その名もかわいい土佐小夏♪

夏みかんの仲間とはいえ、掌にすっぽり納まるそのかわいいサイズですので、

皮をむくのも指で十分!

ぐっと、指を食い込ませると、

あたり一面に鮮烈な芳香が広がります。

べりりっと皮をはぐと、恥ずかしそうに中身が顔を出しました。

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中袋も小ぶりのため剥いてしまうほどのことはなく、

そのままポイっと食べれそうです。

香りの強烈さから、酸っぱさを覚悟して口に放り込んでみると…

おや?

「意外にも酸っぱくない!」?(・∀・)

というか、むしろ甘い!

ちょうど前述した砂糖がけの夏みかんのようです。

だから、私にとってはとても懐かしい味。

太陽の光と、大地の養分を思いっきり吸い込んだかのようなその味に、

思わずがっついてしまった私は、種をいくつか飲み込んでしまいました。


(=^^=)ゞ

 


ブロスさんのおはなしによると、

この土佐小夏は夏みかんの親戚で、

4月中旬から5月中旬くらいしか出回らないそうです。


そして、私が頂いたのが5月の末ごろ。

ですので、時期的に多分アレが最後です。

ブロスさん流に言うならば。

「土佐の晩春の味覚ですわ。」

 

なるほどどうりで…

 

鮮烈な新鮮な初夏の香りを放ちながらも、どこか優しい甘味に満ちていたはず。



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