銭湯ミーティング17


雑談 〜銭湯の想いで(遠征)〜


その昔、私が子供のころは家にお風呂のあるほうが珍しく、
 
外風呂、つまり銭湯が当たり前でありました。
 
ですので、子供のころはお風呂が楽しいという気持ちは全くなく、
 
めんどくさくて、できたら行きたくはない場所でした。
 
だけどもたまに、すごくお風呂が楽しみになるときがありました。
 
それは、「遠征」!
 
つまり、いつもの銭湯ではなく隣町などへ出かけていって入ったことのない銭湯に行くのです。
 
このときばかりは、いつもの面倒くささもどこへやら
 
友達や、兄と連れ持ってワイワイガヤガヤと風呂桶を抱えて歩いてゆきました。
 
当時で小学校の低学年、夕方近くに校区外へ子供達だけ出かけるのは、それだけでちょとした探検気分でした。
 
また銭湯の近くには大抵一文菓子屋(駄菓子屋)があったので、
 
必ずといってよいほど、そこで買い食いをしながら行くものでした。
 
家から離れたそういうお店の商品構成は、普段良く行く店と全く違っているので、楽しさも倍増でした。
 
そして、たまに地元の子供達と会うこともありました。
 
昼間に出会うと、
 
「お前等どこの学校や〜!?何年や〜!?」
 
とけんかになることもあったのですが、
 
この時間帯だと、
 
「どこから来たんや〜?」
 
と、そういう興味の方が勝るのか、ほとんど喧嘩になることはありませんでした。
 
そしてそこでいろんな話をしたり、仲良くなったり、
 
情報交換をしたり…
 
今でいう異文化交流のようなものをしていました。
 
普段の行動範囲から、わずか数キロほどしか離れていないのに、
 
子供の文化圏は全く別物だったのですね。
 
「楽しかったな〜♪」♪(((*^ω^*)))♪
 
 
っと!
 
気がつけばまだお風呂に入っていませんね!
 
え〜っと…
 
 
っと・・・・・・
 
 
・・・・・・・・・
 
 
 
記憶をたどっても、ここいらまでは良く覚えているのですが、
 
肝心のお風呂の記憶がいまいち、ちょっと・・・
 
 
こうしてみると、銭湯に入ったことよりも、それ以外の部分がいかに印象が強かったかがわかりますね。
 
 
でも、毎回楽しくて、ウキウキしていたから、
 
銭湯そのものよりも、
 
銭湯に行く行為自体をすごく楽しんでいたんでしょうね。
 
 
(=^^=)ゞ
 
 
 
 
だから帰り道は覚えています。
 
見知らぬ土地の暗い道を、みんなでテクテク歩くのですが、
 
絶対どこかで誰かがこう言い出すのです。
 
「怖い話しょうか?」
 
・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
 
根っからのビビリぃのわたしはこの瞬間がとても嫌でした。
 
ポツリポツリと話が始まると、ひたすら我慢大会のように耐えるのです。
 
で、暗い道から、明るい大通りが見えた瞬間!
 
私は辛抱がたまらなくなり、そこをめがけて走り出しました!
 
すっると・・
 
なんと、他のみんなも一斉に走り出すのです!
 
「なんや!みんなおんなじ様に怖かったんや!」
 
(=^^=)ゞ
 
 
 
その後は家にお風呂ができて銭湯へ行くことがなくなりました。
 
そして、お風呂としての銭湯の面白さ、楽しさを知ることになるのは、
 
それから15年くらい経ってからのこと。
 


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