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小さなツーリング

消え逝く歩道鉄橋
〜JR城東貨物線 赤川仮橋〜

(2013,10,01)


昨日は休日で天気も良かったので、以前から行きたかったある場所に行きました。

それはここ!

淀川にかかるとある鉄橋です。

その名も、

「赤川仮橋」

ん?
仮橋?
仮説の橋?
おかしな名前だなと、そう思われた方も多いと思います。
実はこの橋は、もともと貨物列車の鉄橋なのですが、その幅が複線用の広さなのに、
実際は単線線路しか来ていないために、線路一本分の余った幅ができました。
そこで、その部分をを大阪市が複線化までの間借り受けて、そこに木造の人道橋をこしらえたのです。
ですので、いつか来る線路の複線化までの間の「仮の橋」というわけでこのような名前になっているのです。

しかしながら、今回複線化を待たずして、線路の改良工事のためこの歩道部分にレールを敷き替えることとなり、
この橋は今月いっぱいで廃止されることとなったのです。

というわけで、渡るなら今月が最後のチャンスというわけでトコトコと出かけて行ったというわけなのです。

では早速渡ってみましょう。
(車止めがあるのでバイクはここで待機です。)

さて、そういう生い立ちの橋なので、真横には線路がまっすぐに伸びていて、
ここでしか見ることのできない独特の後継。
当然歩ける幅はかなり狭く、自転車が何とかUターンできるほど。
だから当然隣の線路も間近に見えて、まるで鉄橋の上を歩いているかのような気持ちになります。

そこそこ歩いたつもりで回りを見たら、
あれ?まだこんなとこ?!

ちょうど眼下にワンドが広がっておりました。
この淀川独特の風景をこうしてまじかでじっくり見れる場所って、案外貴重なんではない?
で、ワンドがあるということは、やっと河原を越えて、ようやく川面に近づいた当たりだから…
思った以上に淀川は川幅が広いな〜!

ワンド
しばらく歩いて完全に水の上に出たので、そこでひょいと柵から顔を出すと…

線路や枕木に手が届きそうなほど!
というか、その先にはもう水面しかそこにない!
で、改めて自分が寄りかかっている柵を見てみると、結構シンプルに木材が釘で打ち付けられているだけ!
まさに仮橋の名に恥じない、仮っぷり!

でもいかにも頼りなげで、じっくり見てると怖くなってくる…
(なるほど、今日の子の探索、高所恐怖症のしょっち〜が乗ってこなかったはずだ!)

そして再び視線を川に移すと、

おお〜!
いかにも大河という様相でとても気持ちがいい!

そういうわけで、機嫌よく橋を渡り終えると…

あれ?こちら側の車止めの幅はやけに広い!
こちらからならバイクを押して入っていけそうだ!

そう思いながら再び歩いて戻ることに。
さて、ではどの橋を渡って向こう岸に行けばいいんだ?
そう思いながら上流に目をやるものの…
ん?

あの橋しかないのか?!

まあ、わたしはバイクだからいいけれど、これが自転車、それどころか徒歩ならば、
この橋が渡れなくなったら地元の人々にはかなり不便になるよな〜。

実際こうして私が橋の上で遊んでいる間も、ひっきりなしにこの橋を渡る人々がいて、
中には、ジョギングのコースに利用しているような人もたくさんいました。

そういうわけで、テクテク歩いて橋を渡り、バイクで大きく迂回しながら対岸へ。
そしてエンジンを切って、えっちらおっちら押して進み、
交通の邪魔にならないように端っこに寄せ一休み。


うん、思った通り絵になるな〜♪


で、ペットボトルのお茶を飲んでいたらば、

「カン!カン!カン!」

踏切の音が聞こえだしてきました。

ということは…


貨物列車キタァ〜!

ガタンゴトン!


ガタンゴトン!





ガタンゴトン!


ガタンゴトン!



ガタンゴトン!


ガタンゴトン!


う〜ん、通行人と列車が橋の上ですれ違う!
しかもこの近距離!
その光景はなんとシュールでそれでいて迫力満点!

実はこの独特の光景から、以前NHK連ドラ(まんてん)のロケにも使われていたのです。
でもこの光景も、今月末でおしまい。
う〜ん、残念!
確かに止むおえない事情なのだろうとは思うけど、もう80年以上も使われているだけに、
何とかならんのかなとか思ってしまいます。
(実際すごく不便になるし。)

で、実はここでこうして列車を見ていて、「本当に止むおえないのかな?」と少し疑問に思ったりも…

というのも、この線路は貨物船なので、通る列車は当然貨物。
ですが、年々貨物は車に負けて本数が減るばかり。
実際この日も朝・昼・夕の3本程度しか走っていないと聞きました。
(そのうちの一本に出会えてラッキ〜♪)
おまけに、貨物の数も、というか貨物列車の長さが、
私が子供の頃見たのと比べたらずいぶん短くなっていた気がします。
だからどう考えても、今後爆発的に需要が増えるとは考えにくいと思います。

なのにそこをあえて複線化するメリットって本当にあるの?
だから本当は、大阪市がこの橋の維持管理が嫌になったんではないの?
こう見えても、市道認定されているので、道路の管理者としての責任はしっかりあり、
費用的なものや、安全対策とか、考えだしたらいろいろあり過ぎるから。
(実際今回の工事も、複線化ではなく、線路補修のための敷きかえという微妙な内容


なんてことを勘ぐりながら家路につきました。



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