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小さなツーリング
掩体壕(えんたいごう)
(04、02,24)


さて、今回はこれを見に行きました。


皆さんはこの建造物は何だか分かりますか?


これは掩体壕(えんたいごう)といって、戦時中、敵の目から飛行機を隠すために作られた飛行機格納庫です。
よく飛行機の防空壕とも表現されます。
関東などでは史跡として保存されている例も見受けられますが、
関西(大阪)では多くは野ざらしのまま放置され、撤去されてしまいました。
今回訪れたものは、大阪で唯一残る掩体壕です。

今ではもちろん飛行機などは入っておらず、
いきなり畑にドカ〜んとあります。
予備知識なしでこれに遭遇すると、
「どうしてこんなところに野外音楽堂が?」
そう思ってしまいます。
後ろは切り取られていました。 基礎部分が丸見え!
結構掘り下げてあります

中を覗くと深く掘り下げられており、まるで地下室。
現在は農具置き場と耕作地として利用されている様子。
雨の日の作業場には丁度良さそうです。

幸い地元の農家の方からお話を教えてもらうことが出来ました。
以下はその要約です。


このあたりに掩体壕が出来たのは、昭和18年頃
今はこの1基だけですが、その頃には複数建設されました。
ですので当時は、住人総出で作業に駆り出されたとのこと。

今でこそ、太鼓橋のような剥き出しのコンクリートの姿ですが、
出来た当時は今の倍の大きさで、亀の甲羅のようだったそうです。
(なんと同時に、空港から約4キロも離れたこの場所に飛行機を運ぶため専用の道路も作ったとのことです。)
さらにその上に山土を盛り、樹木を植え小山のようにカモフラージュしたとのことです。
ですので樹木が枯れないように、毎日水遣りをするのが大変だったとのお話でした。

しかしながら、そのような苦労も甲斐なく、米軍には筒抜けで、
この地域はこの掩体壕があるがために何度も攻撃をうけ、とても苦労なさったそうです。
天井部分には今でも機銃の跡が残ります。(写真の赤丸)

やがて戦後になり、掩体壕も意味を持たなくなってしまいました。
そうなるとこれらは正に無用の長物。
元々が民地に強制的に建てられたものなので、地主さんの手によって次々と取り壊されてゆきました。
それでもいくつかは残りました。
(だって、取り壊しの費用も自前でしょ?)
私たちが訪れた掩体壕も実は前半分を取り壊されております。
何でも朝鮮戦争の時に「鉄」が足らなくなり、掩体壕の「鉄筋」を取り出すために取り壊したらしいんですが…
実は建設当時にかなり資材が不足していたため、
玉砂利などを多量に含む粗悪な材料が使用されており、
目的の鉄骨などは入っていなかったため、
結局半分壊して残りはそのままにしておいたそうです。
(今でもダイナマイトを入れるためにあけた穴が残っております。)

赤線がもともとの姿? これがダイナマイトの穴 前半部分の縁(フチ)は健在


注意!
今回訪れた掩体壕は個人の畑地に存在します。
見に行く方はその点を十分理解し、
迷惑のかからないようにしてください。
(私たちも了承を得て入らせていただきました)


もっと色々知りたい方は「掩体壕デーダベース」にいってみてはいかが?



おまけ

このときお話してくださったのは、どなたも70過ぎの方でした。
掩体壕のほかにも、今の日本の問題点を色々お話してくださいました。
特に心に残ったのはこのせりふ。
「日本は平和が長く続きすぎた。だから自分の事を自分でするあたり前のことができなくなった。」
たしかに食糧問題、国の自衛問題、いや、もっと身近な身の回りの物事すべて。
誰かがしてくれる、誰かの仕事、そう思っている人のなんと多いことか。
もし、その誰かがしてくれなくなったらばどうする!?
他の誰かを捜すか?
そんなものは誰も相手にしてくれない。
だって、それは世界の常識。
「自分の事は自分でする、やってもらったならば感謝する、
その世界の常識を知らん島国根性が嫌いや。」

そうおっしゃっていました。
なんとも元気なお三人!
この話の他に、
只今山中に生息する700頭の野ブタの話も興味深かったです。

過去の人々の努力、犠牲の上に今があるのに、
そのことを忘れ、今の状況を当たり前だと思って暮らしている。
そんな自分が今回恥ずかしくなりました。


さらにおまけ


このあと実は別の古いものを見に、え〜ちゃんさんのお家へ行きました。



以前も原チャの帰りに襲撃したりと、毎回お世話をおかけいたしております。
ここはいつ行ってもお宝のヤマ!
初めて訪れたあめふらしさんは、目をまんまる!
本職の旧車屋さんだと信じておられました。
(息子さんには旧過ぎて、?(・∀・)?でしたね!)
今回も、農業発動機の試始動大会や、
いきなりポイント掃除大会などをして遊ばしていただきました。
「え〜ちゃんさん!毎回ありがとね!」(*^人^*)
BSモーターのポイントを磨く@こ@さん。




みなさん、お疲れ様でした!

今回の参加者、左より、あめふらしさん@こ@さん息子さん



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