いろいろな話283

プルトップと車椅子 

 


「缶ジュースのプルトップを集めたら、車椅子と交換できる。」

そういうシステムがあって、よくあちこちで募集しているのを見かけますよね。
いきつけのバイク屋さんや、ジムの受付にも収集箱があります。

でも実は私はこれがいつも疑問でして。

「なぜプルトップ?なぜ空き缶本体じゃないの?」

と…

というのも、これはプルトップそのものを集めどうこうしようとかいうものではなく、
回収したプルトップをアルミとして売却し、そのお金で車椅子を購入というシステムだから、
明らかにプルトップより重量のある空き缶本体の方が有利でしょう?

ちなみに、プルトップ800キロで車椅子一個になるそうなんですが、
今日の相場が1キロ92円やから、800キロやと7万3600円!(2009.11当時)
http://www.ohata.org/kakaku.html
車椅子相場が2〜3万なんでこっちの方がかなり効率いいでしょ?

最近はあちこちに買い取ってくれる業者も出てきてるからそんなに面倒でもないし。
おまけにプルトップをわざわざ引き剥がす手間もいらない。
なのに、なぜに空き缶を集めないのかいつも不思議だったのですよ。

そこで昔ちょっと調べてみたら、
このシステムは、昔の分離式プルトップのポイ捨て防止のためにはじめられたものらしいのです。

と、ここで昔のプルトップを知らない方に…
今のプルトップは指をかけて引き起こしてもそのまま空き缶にくっついていますが、
昔のはプルトップごと引き剥がしてしまうタイプだったのです。
だから空き缶もそうですが、引き剥がされたプルトップもあちこちによく捨てられていました。
そしてまた厄介なことに、空き缶は拾いやすいですが、
プルトップは小さくて回収しにくいのでそのまま放置されることが多く
それが結構問題になっていたのです。

そこでその問題解決の方策として、こういうシステムが出来上がったとのこと。

なるほどなるほど…

でもへそ曲がりの私はちょっと邪推しちゃうわけなんです。



「これってちょっとおかしくないかい・・?」


鉄ではなくアルミのプルトップのみを対象にし、しかも相場よりかなり割高の交換設定。
これは絶対損をしない。
いや、関連業者と組めば濡れ手に泡の大もうけも可能?
そして、なにより一番すごいと思ったのは、回収させるための動機付け!
「あなたの善意を福祉のために。」

これは誰も賛成こそすれ反対しないもん。


本当に福祉のために車椅子を寄付したければ、
空き缶そのものを回収し、それを売却した金額をそのまま団体に寄付すればいい。
でもそれをしないのは、空き缶の回収システムがすでに成立しており、
それをわざわざ車椅子のために壊せないことにあるのだと思います。
(おそらくそこには再利用によるコストダウンも当然あるはずだろうし。)

だから今行われているプルトップ事業は、本来の「ポイ捨て解消」という目的がなくなった今となっては、
本当は撤退したい事業なんだと思います。
でも全国各地で認知度も上がってしまい、業界のイメージアップもあるので続ける必要がある。
そういうわけで、こういう交換比率になっているのと違うかな。


…と、そうかってに思っております。



ま、結局私が何を言いたいのかというと。
当たり前だと思っていることも、実はかなり不自然で
もっともっとよい方法があるのかもしれないと、
そういう風に考えることも必要じゃないかな〜。ってこと。


そうそう、これは何も現在善意でプルトップを集めてらっしゃる方々を批判したり、馬鹿にしているのではありません。
そういう方々には本当に感謝し、頭の下がる思いがするのですよ。
でも、もし本来の目的が「車椅子」もしくは「寄付」にあるのならば、
空き缶を集めて売りに行って、そしてそのお金を寄付する方法もあるのだということを知って欲しかったのです。
(チョコっとそのお金で缶ビールを買ったりしても、またその空き缶も再利用できる♪)

ただ、プルトップと違って場所を取るのが難儀なわけですが。
(=^^=)ゞ



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